ROAD TO BEIJINGとは・・・
北京オリンピックから正式種目となったOWSのオリンピックレベルでの
国内・外の情報を発信していきます!
レポートの紹介
2007年3月にオーストラリア・メルボルンで行われた世界水泳の
OWS競技の様子を公式サイトのレポートと現地観戦していた友人の協力を得て作成しました。
来年のオリンピックの前哨戦となった今回の世界水泳。世界のレベルは高い!
(*日本選手は本大会には出場しておりません)
世界水泳2007OWSの結果をサイトで見たレポート(5km、10kmのみ)
執筆協力・現地観戦 石井英一さん
【12th FINA World Championships in Melbourne】
| ☆開催日 |
2007年 3月18日〜25日 |
| ☆会場 |
オーストラリア ヴィクトリア州 メルボルン St Kilda ビーチ |
| ☆種目 |
男女 5km、10km、25km OWS |
| ☆コース |
1周2.5kmの長方形のコースを4周 |
| ☆参加人数 |
男子53名34カ国/女子42名25カ国(男女共にスタートリストより) |
【男女5km】
いよいよ開催された世界水泳のOWS。初日男女5kmの覇者は昨年8月にナポリで行われた世界OWS選手権の5kmの優勝者と男女とも全く同じという結果になった。男子はこの大会でOWS初挑戦となるギリシャのSpyridon Gianniotis選手がスタートから集団をリード。その差は25mにもなったが、最後のターンの後に経験豊富でナポリの覇者ドイツのThomas Lurz選手とロシアのEvgeny Drattsev選手が抜き出て、最後は2人のスプリント集団となりThomas Lurz選手が征した。Spyridon Gianniotis選手はOWS初挑戦ということで、恐らくゴール前のスパートは彼自身の想像以上のスピードだったのではないかと思われる。1位から10位の選手までのタイム差はたったの21秒ほどしかなく、想像通りハイレベルの接戦となった。注目されていた地元オーストラリアの無敵ライフセーバーのKy Hurst選手はトップ集団にいたものの、ラストスパートで離され、残念ながら3人同着10位となった。地元も大いに期待している選手なので、10kmに注目が集まる。
一方、女子は男子以上の大接戦となった。わずか9.7秒の中に11人がゴール。オーストラリアのKate Brookes-Petersonがレースを引っ張るも、最終的にはロシア勢にワンツーフィニッシュされてしまった。優勝したLarisa Ilchenkoは終始ポジショニングを計算していたようで、ラストスパートで一気に先頭に出た。2位のEkaterina Seliverstovaは優勝したLarisa Ilchenkoのチームメイトでもあり、ロシアの強さは見せ付けたレースとなった。
10kmは5kmで上位に入らなかった選手も決して優勝タイムとは差がないレベルなので、誰が勝ってもおかしくないレースになるであろう。北京五輪のOWS種目となる10kmレースだけに注目が集まる。
【女子10km】
| ☆日時 |
2007年 3月20日(火) 午後12時スタート |
| ☆天候 |
曇り時々雨 |
| ☆風 |
北の風2〜3m |
| ☆干満 |
干潮 9:51 満潮 15:48 |
| 10km=1周2.5kmのコースを4周、ブイを右回りするコース |
昨日行われた女子の10kmから。女子はやはり5kmを制したLarisa Ilchenkoが10kmも実力を見せ付けて5kmに続き、優勝した。わずか、0,91秒差で2位になったイギリスのCassandra Pattenは最後の周回までトップだったが、虎視眈々と好位置につけていたLarisa Ilchenがまたもやラストスパートでリードを奪ったのだった。そして、そのすぐ後に5kmでも3位になったオーストラリアのKate Brookes-Petersonが3位に入った。その差1位からわずか1・6秒差。惜しくも3位からわずか1・11差で4位となったドイツのAngela Maurerは集団での激しいバトルはかつて経験しないほど激しいものだったと言う。そして、レース中のバトルも激しかったが海のコンディションも風が吹くチョッピー(白い角波が立つような海面)コンディションでの上、クラゲがかなり多くいたようでかなりの選手が悩まされたようだ。ちなみにFINAルールで定められる最年少が14歳だが、今回女子で香港からWing Yung Natasha Terri Tangが出場し、後ろから2番目であったがゴールすることができた。
【男子10km】
| ☆日時 |
2007年 3月21日(水) 午後12時スタート |
| ☆天候 |
晴れ |
| ☆風 |
スタート時、南の風約2〜3m、13時を過ぎて南の風約3〜4mに。 |
| ☆干満 |
干潮 10:44 満潮 16:47 |
レースが始まる前から少数の選手が潮の流れをチェックしていた。
浮島から飛び込んでスタートし、1周2.5kmのコースを4周、ブイを右回りするコース設定だった。前半1周目は多くの人数でまとまって泳いでいたが、2週目を過ぎて徐々にグループに分かれていき、数名グループからわざと離れて泳ぐ選手もみられた。(ビデオ参照) 2週目から給水をとる選手もいたが、多くは3週目に集中していたと思う。最終ラップのときはほとんどの選手が給水をしていなかった。しっかりと確認はできてはいないが給水者と選手との間に大きなトラブルはなかったと思われる。(レース前に多くの選手がどの位置で給水を受けるかをサポーターと入念に打ち合わせしているのをみたため)
4周目にむかうまではオーストラリアのカイ・ハーストが先頭を引っ張っていたが、ラスト2kmをきったぐらいから多くの選手がペースを上げ、最終ブイを回ったときは2人DyatchinとLurzだけが先頭集団より前にでていた。数百メートルを激しく競い合い、ほとんど同時でゴールをした。後方の選手たち約20人は役十秒後、雪崩れるようにゴールしていた。
今日、行われた男子も前日の女子に続く、チョッピーコンディションに、風が吹き、クラゲも多く発生していたようだった。そんな中、5kmに続き連覇が期待されたドイツのThomas Lurzは5kmにはエントリーしていなかったロシアのVladimir Dyatchinにゴール前の大接戦の末、なんとわずか0.06秒差で優勝を奪われた。最後まで勝利を確信できなかったVladimir Dyatchinだったが、後のコメントでタッチした瞬間に勝ったような感じがしたと言っていた。これで、ロシアはオリンピック種目の10kmにおいて男女とも制覇し、強さを見せ付けた。男子の3位には5kmで2位に入ったロシアのEvgeny Drattsevが入った。惜しくも4位だったのがなんとエジプトのMohammed Zanaty。昨年のナポリ世界OWS選手権では10kmで15位、25kmで5位に入っている選手で、本人も予想を上回る結果だったそうだが、やはり北京でのメダル獲得のためにレベルを上げているようだった。私が期待していた地元オーストラリアのKy Hurstは3周目までトップをリードしていたものの、昨今の世界トップレベルのレース展開に慣れておらず、経験豊富なOWS選手たちにすっかりやられてしまい、22位という結果に終わってしまった。しかし、彼は今期からグラント・ハケットと同じクラブだったマイアミからシドニーのイアン・ソープの元コーチのところに練習場所を移し、北京に照準を合わせてくるそうだ。全体を見ても、最初からリードしている選手が優勝はしないレース展開。それぞれが持つポテンシャルはほぼ同じなので、レースの流れやラストスパートのかけ方などが順位を決定する。まだまだ、北京まではどうなるかわからないのである。
【世界水泳公式サイトより】